@アルカラ・デ・エナーレス

 2003年、2004年はモンゴルの蝶の最盛期である夏に調査してきたが
2006年はウランバートル周辺に的を絞り、早春にしか見られないテネディ
ウスウスバシロチョウ、アサヒヒョウモン、ミドリコツバメ、ニセコツバメ
タカネヒカゲ類ギンスジヒカゲ類等を目標に、ツアーを計画した。

期間は6月3日〜6月14日まで、テレルジ、ヌフト山、ボグド山、バヤンチャンド
マン、デュガンハットを調査した。本稿は2006年、鱗翅学会中国支部に於いて
報告した資料をもとに掲載した。
     岡山昆虫談話会 吉田嘉男

 2006年のモンゴルは日本と同様に寒く、春は2週間くらい遅れ、ウランバートル
周辺の高い山にはまだ残雪が見られた。夏の草原を見慣れた我々には早春の草原は
まだ芽生えたばかりで草花も少なく殺風景であった。
それでも三寸アヤメが咲き始め、オキナグサやスミレの紫や黄色の花が見られた。
ウルダタカネヒカゲは何処の調査地でも見られた。帰国する頃には緑も濃くなり、
花も多く見られ、後2〜3日は採集したかった。
残念ながらテネディウスは見ることも出来なかったが、幼虫を含め30種を記録した。
モンゴルでの採集記録は、‘03年の86種に‘04年の52種と‘06年の8種を
追加し、合計146種となった。
      上図はモンゴル国中心部の参考地図
0604_テレルジ_初めて宿泊したキャンプ地 0604_テレルジ_スミレの花
0604_テレルジ_枯れ木に止まるウルダタカネヒカゲ 0604_テレルジ_亀石の奥から見た亀石
0604_テレルジ_キンポウゲの仲間か 0604_テレルジ_枯れ草に止まるアサヒヒョウモン
0605_テレルジ_林の傍の柳の花を見ながら弁当 0605_テレルジ_増水した河を渡ると車の中まで水浸し
0606_テレルジ_ゴルフ峠_チョウセンヒョウモンモドキの幼虫 0606_pmテレルジ_道を挟んでキャンプ反対の谷素晴らしい
   眺めだったが、さしたる収穫無し
  

採集記 6/46/6 テレルジ周辺は晴れているが気温が低く、風があり、蝶は少なかった。
テネディウスウスバシロチョウは今回のツァーで期待した種であり、ガレ場を中心に丹念に探したが見つからなかった。タカネヒカゲ類は風の当たらない日だまりとなる岩陰や窪地、水のない谷筋に集まっていた。岩陰でハエのように飛ぶギンモンキマダラセセリと灌木林の中でアサヒヒョウモンなどを採集し、
nomionやヒョウモンモドキの仲間の幼虫も観察出来た。