キンキコルリクワガタ Platycerus acuticollis akitai Fujita,1987
〔標本写真〕
左♂ 岡山県西粟倉村 2005/05/14・中野 採集 右♀ 岡山県西粟倉村 2006/05/21・中野 採集 〔産卵マーク写真〕 岡山県中西部 2006/05/03・中野 撮影 寒い冬の間、雪に閉ざされたブナ林の林床で静かに春を待つ小さな宝石。と言えばルリクワガタの仲間を思い出す人も多いと思います。
中でもコルリクワガタは地域ごとに形態や色彩などに変異が見られ、愛好者も多く人気の高いクワガタムシの小型種と言えるでしょう。 岡山県に産するものは、亜種キンキコルリクワガタと呼ばれており主に県北部の中国山地に生息しています。 成虫がブナなどの新芽に集まることが知られているのでタイミングさえ合えば容易に観察が可能なようです。 写真の個体(標本)は岡山県産のキンキコルリクワガタで、両者ともに飛翔中を採集したものです。 また、枯材表面に独特な産卵マークを残すので林床に落下した枝を探すとこのような材を見つけることができます。 写真の中央部に付いているものが本種の産卵マークと思われますが、実はこの材は県中部で見つけて撮影したものです。 興味深い植生を示すことはもちろん昆虫相においても注目すべき地域として近年話題になっており、新たなる発見に期待が高まります。 |
中野一成 |