ウスバシロチョウ(ウスバアゲハ) --- Parnassius Glacialis --- |
飛翔 |
飛翔は特徴的です。同じ白一色でも、ほとんど羽ばたきづめのシロチョウ類と違い、
直線的に飛び、風にのって非常にゆっくりと滑空するので、すぐに区別できます。 飛ぶ姿はアサギマダラにも似て、非常に優雅で、よく目立ちます。 |
追飛 |
追飛 |
♂♂の追飛は、長続きしません。短時間で相手が♂であることを認識しているに 違いありません。右のものも2コマの連写で終了です。 一方、♂♀の追飛は、普段の探♀飛翔と違ってかなりのスピードで逃げる♀を 延々と♂が追い続けます。カメラマンは遅い飛翔に馴れきっていて、突然始まる すばやい追飛についていけず、写真がありません。 |
配偶行動 |
交尾が成立する配偶行動には今年はお目にかかれませんでした。
右は、探♀飛翔していた♂が、静止している♀を発見して舞い降りたもの。
ディスプレイなど一切なしで、翅の上から♀を押さえ込んで飛べなくしてから
交尾を試みる、という、優雅な飛翔からは想像できない荒っぽさです。
♀は交尾嚢をつけた既交尾個体で、シロチョウ類とは逆に腹を下げて♂を かわしていました。 |
訪花 |
草原のクサイチゴ、周囲の畑の大根などへの吸蜜がみられました。
大根の花を足で抱え込んでガツガツと吸蜜します。ある程度硬くて丈夫な花でないと、いい絵になりません。 道路沿いの畑のネギ坊主や、季節が下ってのアザミなどへの訪花写真が定番なのはそのためではないか、と思っています。 |
もいっちょ飛翔 |
最後に、夕方の斜光の中を飛ぶ姿をもう一枚。山村の、なつかしい風景を背景に。銀白色の体毛が美しくなびきます。これは寒冷地仕様の防寒着なのでしょう。温暖化が議論される中、この蝶の分布域が狭まることのないよう願っています。 |
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写真と文:岡山昆虫談話会会員 藤本徹哉
撮影:2009年5月6,9,10日 井原市芳井町・高梁市川上町、松原町にて。 ・リンクするときは岡山昆虫談話会までご一報ください。 ・文、写真を無断で利用、配布、転載することを禁じます。 |