カメラ探訪

ルリシジミ --- Celastrina Argiolus ---
は、一年中、あちこちで見られる普通種です。 しかし、早春にだけ、 空色に光る翅表が見られるという楽しみがあります。 温度の上がる前の朝と、午後を少し廻って温度が下がってから、 に限られるようです。要するに、日向ぼっこ、ですね。 第2化以降、夏の個体が開翅するのは見たことがありません。

でも、ご他聞にもれず、活動的な蝶の特に♂は すぐに鮮度が下がります。右の写真は、残念ですが羽化直後の ルリシジミの美しさを伝えてはいません。また来年…

CelaA

占有飛翔
CelaA CelaA ♂は早朝から山頂などに集まり、占有行動をとります。 侵入者はたいてい自分より大きいアゲハチョウやヒオドシチョウですが、 かまわず飛び立って追い払おうとするようです。 しかしなわばりへ固執する度合いはあまり強くなく、 いつの間にか別の場所へ飛んでいってしまっています。

追飛
ルリシジミ同士の追飛はやや執拗で、2頭が絡むように飛び、どんどん上空へ上がっていきます。 CelaA CelaA

配偶行動
CelaA CelaA 山頂には、未交尾♀が上がってきます。 ♂同士とは少し違う、短い追飛のあと、交尾が成立することが多いようです。 この日は3度、♂♀の追飛を目撃しました。 左写真で、前を行くのが♀。 右写真は同一個体(♀)の開翅証拠写真。
このあと、短い卍状飛翔を経て、着陸、交尾成立となります。
交尾
CelaA 交尾は着陸後すぐに成立するようです。 地面に降りた追飛ペアにただちに近づきましたが、すでに交尾していました(左)。 (このペアは前項の追飛ペアとは別の個体です)

交尾個体はあまり飛びたがらないようでしたが、常に←♀+♂でした。 保育社の原色生態図鑑(III)の記述と異なりますが、一定していない のか、季節変動があるのかもしれません。

ともあれ、きょうの花見は、キミたちのおかげで楽しい一日になった。 ありがとう。
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 写真と文:岡山昆虫談話会会員 藤本徹哉
 撮影:2009年4月5日 三原市筆影山山頂付近


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