@アルカラ・デ・エナーレス

0612_テレルジ_岩場のドールニギンスジヒカゲ
6/12 最後のテレルジはアサヒヒョウモンの居る谷を調査したが、アサヒヒョウモンは擦れていた。
6/13
 モンゴル最後の調査はヌフト山であった。天気も良く、谷筋ではギンモンキマダラセセリ、ジョウザンシジミ、ムラサキベニシジミ、チャマダラセセリ、タカネヒカゲ類が見られ、エゾシロチョウの蛹も見つけた。夜は帰国のため遅くまで荷物の整理を行った。
6/14 早朝ヌフトホテルを発ち、成田、羽田を経由し夕方には岡山県玉野市の自宅に着いた。
0612_テレルジ_岩場のツメレンゲ゙ 0613_ヌフト山_ギンモンマダラセセリ
0613_ヌフト山_ジョウザンシジミ 0613_ヌフト山_水に浮かぶドールニギンスジヒカゲ
0613_ヌフト山_ウワミズザクラの仲間を食すエゾシロチョウの幼虫
あとがき
 モンゴルの春の草原はまだ芽吹いたばかりで地肌が見え、咲いている花も少なく蝶も少ない。ウラギンヒョウモンやミドリヒョウモンの成虫が沢山いる夏場ではスミレ類をほとんど見かけなかったが、早春の草原や、林間には沢山見られた。草原は静寂で何も居ないように見えたが、じっくり捜すと谷筋や日溜まりとなっている窪地、岩陰に忍者のようにタカネヒカゲ類やドールニギンスジヒカゲなどが隠れていて、足下から飛び立つことがよくあった。
今回採集できた蝶はアサヒヒョウモンを除き、どれも新鮮な個体が多かった。モンゴルの蝶密度が高いと言っても草原に出れば何処にでもいる訳ではない。家畜の放牧されている所は草丈も低く花も少ないので、飛翔力のあるモンキチョウの仲間やチョウセンシロチョウの仲間が通り過ぎるくらいで蝶相も貧弱である。放牧地から離れた、冬の飼料用地に行くと花は咲き乱れ、蝶の密度はとても高くなる。人口の3分の1が集中するウランバートル周辺では近年土地の私有化も一部認められ、谷の入口に柵が出来たりして自由に草原や谷に入れなく成りつつある。又、家畜もカシミヤが高価に取り引きされることから、根まで掘って食べるヤギが急増し砂漠化を進める一因にもなっていると聞いた。
          2008/2 岡山昆虫談話会HPへ寄稿
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